2010年12月17日
平成22年12月17日 12月議会閉会<意見書原稿>

 本日で平成22年度の12月県議会は閉会。
 最終日の争点は意見書案のぶつかり合いです。
 今回注目なのは、私も登壇する「TPPについて」の意見書を巡る争いです。自民党からも主旨弁明を行うため、真っ向にぶつかり合います。
 以下、私の原稿をお知らせしますので、ご覧下さい。

<「TPP等への慎重な対応を求める意見書案」 主旨弁明原稿>

 民主にいがたの梅谷守です。
 会派を代表して只今ご提案の第55号議案「環太平洋パートナーシップ協定等への慎重な対応を求める意見書案」に関し主旨弁明を行います。

 自由貿易を取り巻く国際環境の背後には、それを安全保障強化に利用したり、自国の経済統合モデルの普及に繋げようとする、いわば「大国の思惑」が潜んでいるとの指摘もある中、FTAではこれがよく表れており、新しいFTAがその他の国に競争圧力を生じさせるとともに、既存の貿易状況に影響を及ぼしかねません。

 こうした中、日本はFTA政策を「線」の関係を増やしていく二国間中心のものから、数カ国・地域を包む形の「面」を作るFTA政策に転換してきているものの、東アジア自由貿易圏を築くのは容易ではなく遅々たる進捗状況がありますし、アメリカがFTAをシンガポールや韓国などに提案する様を見て「このままでは日本の産業が既存市場から締め出されるのではなかろうか」といった強い懸念もあります。
こうした流れが布石となり、かつ自由貿易の促進が日本経済の発展を支えてきたという自負から、突如降って湧いたかのように出てきたTPPに対しても、「これからの日本経済を見据えたらこれに乗らない手はない」と考えることは無理もないと言えます。

 そして政府はまさに急かされるが如く本年11月、包括的経済連携に関する基本方針を閣議決定し、「高いレベルの経済連携の推進と、我が国の食料自給率の向上や国内農業・農村の振興とを両立させる」との方針を示しましたし、なかでもTPPについては、交渉参加の前段階であるとはしつつも、「情報収集を進めつつ、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」としました。

 TPPは、ほとんど例外を認めない非常に高いレベルの経済連携協定と言われており、物品の貿易、サービス貿易、政府調達、知的財産権、協力など、投資を除く幅広い分野を対象とする包括的なFTAであり、労働と環境も補完協定として協力が規定されています。

 こうした高レベルの自由化に対し、大国との土地等の条件格差を考慮せず、何ら対策を施さぬまま関税撤廃を強行していけば我が国は一体どうなるか。一部の製造業等は当面の利益を更に拡大できる一方で、現状でも世界的にも極端に低い40%の食料自給率が更に低下し、もはや独立国家としてのナショナルセキュリティー維持がかなわなくなる恐れがあります。このことは、海外依存度が90%前後に高まった麦や大豆の歴史を見ても容易に想像できます。また、地域社会の崩壊や国土環境・人々の健康への悪影響等、年間90兆円近くを生み出しているとも言われる多面的機能の崩壊に繋がるでしょう。

 政府はTPPに対し「センシティヴ品目には配慮をしつつ行う」とのスタンスを示すとともに、持続可能な力強い農業を育てる対策を講じるため「食と農林漁業の再生推進本部」を設置し、来年6月を目途に基本方針を決定。10月を目途に農業の競争力強化に向けた抜本的国内対策と財政措置及びその財源を検討し行動計画を策定するとしていますが、WTOやFTA・EPA・TPPなどの貿易自由化は、輸出産業の経済利益や安い食料で消費者が得る利益だけで判断するのではなく、大国との土地等の条件格差は埋められないという認識のもと、食料安全保障と多面的機能、つまり「国土と命」という広く「国益」を第一に勘案した上で、あらゆる分野への波及の影響を見据え、我が国の未来に向けた極めて慎重な判断と対応を行わなければなりません。
 
 そのための前提として、私たちは、農林漁業への戸別所得補償の強化を含む意見書案の4点について、具体的に政府に提示し強く要望するものです。

 今ほどご提案の同趣旨の案よりも私たちの案の方が核心を突いていると考えますので、満場のご賛同をお願い申し上げますとともに、これを機にTPP等に対する社会的・国民的議論が益々活発に行われることをご期待申し上げ、主旨弁明を終了致します。

以上

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