2013年03月06日
平成25年3月1日 2月定例会一般質問

 2月25日から始まった2月定例会(会期は3月27日まで)において、私は一般質問の2番バッターとして壇上に立ちました。

 質問を作るにあたり今回、柱に考えていたのが3点ありました。ひとつは「アベノミクスの急激な円安による暮らしへの影響緩和対策」、二つめは「3期目の県政運営で『攻めの県政』を標榜する中、福祉や社会保障分野への取り組み強化に向けた知事の決意を引き出すこと」、そして三つめが「上越の課題について、地元により県政の光があたるようにすること」。

 この3点に肉付けし、今回の質問の骨組みができました。また、がれき処理に関する知事発言について、撤回を求めるべく、代表質問とは違った角度での質問を意識しながら、知事により印象づけるべく質問の第一項目に置くことにしました。

 この方針のもと原稿を作成していったところ文字数が溢れんばかりになり、推敲する過程でかなりの文字数を削減しても結果、11300字余りと過去最大数を記録してしまいました。ちなみに、よく言われる文字数の目安は8000字~9000字です。

 ですので、質問本番はかなりの早口で臨んだのですが、それでも持ち時間はいっぱいいっぱい。。やはり知事の耳ではなく「心」にぶつけるには、もう少し緩急や抑揚をつけることのできうる文字数で挑まねばと、決意を新たにしているところです。

 以下、質問原稿を載せましたので、お時間のある方はどうぞご覧になってみて下さいませ。

<平成25年3月1日一般質問原稿>

 質問に入る前に、今冬の大雪によって被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。私の選挙区の上越市内では、大島区と安塚区で災害救助法が適用されました。その中で聞こえてくるのが「燃料代の高騰を何とかしてほしい」という声や「除雪機械の購入費補助やリース対策を何とかできないか」といった声です。知事におかれましては中山間地域のこうした声をしっかりと受け止めて頂くようお願い申し上げ、それでは通告に従い、順次質問致します。

1、震災がれき処理について

 震災がれきの広域処理にあたっては、県内に「がれき」だけでなく「不安」も引き入れるという側面があります。この「がれき処理」と「不安解消」を巡って、県内市長と知事との溝が埋まるどころか逆に深まるばかりの状況にある。

 知事のその、県民の立場に立ち放射能の得体のしれなさから不安を取り除こうとする一貫した姿勢を私は評価していますが、一方で、広域自治体としての果たすべき責任を果たしきれていない上に、決定権者である市長の決定や行動に対して自らの意志を貫こうと口を挟みすぎることで逆に県民不安を煽っている点には違和感を覚えます。

 また、知事は先日「ずさんな管理で埋却を進めることは将来の世代への犯罪行為と言わざるを得ません」とコメントするとともに、その後の記者会見において、「健康被害を受ける人が出ることになれば傷害」や「亡くなる方が出れば傷害致死」、「分かっていてやったら殺人に近い」と発言しましたが、不穏当ではないかと受け止めていますし、これは余談ですが、「傷害致死」は「犯罪が起きてもかまわない」といった「故意」がなければ成立しませんので、知事の言い分を正確に表現すれば「過失致傷罪」の方が適切かと存じます。

 本県が受け入れるがれきの元である大槌町は被災から今日に至るまでの約2年間、既存の一部事務組合の、バグフィルターが設置された焼却施設を使用してがれきの焼却を行ってきました。被災約4ヶ月後に行った16都県を対象とした環境省調査によれば、この施設からは、1キログラムあたり1,128ベクレルの放射性セシウムを含む飛灰を排出しており、同程度の濃度の飛灰は東日本の各地で発生しています。バグフィルターの性能はどれも同じ水準で変わらないことから、知事の発言は、大槌町のがれきと同程度のものを焼却してきた国内の地域はこの約2年間、「将来の世代への犯罪行為」を続け「健康被害を受ける人が出ることになれば傷害」や「亡くなる方が出れば傷害致死」、「分かっていてやったら殺人に近い」行為を続けてきたことを意味しますが、このような受け止めでよろしいのか、知事の所見を伺います。また、「犯罪行為」の発言について知事は「水俣病の原因企業の元社長が刑事責任を問われていることを踏まえ現在の法制度について申し上げたもの」としていますが、だとすれば大槌町のがれきと同程度のものを焼却し続けている地域も将来的に刑事責任を問われる可能性があるという理解でよろしいのか、併せて伺います。

 周知の通り、この知事発言に対し、岩手県議会が抗議を検討しました。結果、慎重な対応を求める意見もあったため各会派で検討したものの最終的には合意に至りませんでしたが、佐々木博議長いわく「同様の懸念を抱える宮城、福島とも連絡を取り合い、時間をおいて対処したい。意見を表明する場合は中身を示す」とし、未だ予断を許さない状況にあります。この反応について知事はどのような所感をお持ちなのか。また、発言以後、本県ならびに知事に対して電話やファックス、知事へのお便り、ツイッターなどからも多くのご意見が寄せられたと伺っていますが、それらの件数を含めた具体的な反響内容と知事の所感を伺います。

 そもそも、昨日の答弁のように、知事からすれば「刑法の一般的な説明をしたものであり、それ以上のものではない」としても、全国的な影響を考慮すれば、知事の立場にある者が「犯罪行為」や「傷害」、「傷害致死」、「殺人に近い」という言葉を用いるのは行き過ぎであり、撤回すべきです。

 また、三条市長は「将来は(三条市に)住まないというふうに考えているのでしょうか」という発言は相手に対する敬意を欠くものと考えることから、こちらも撤回すべきと考えますがいかがでしょうか、知事の所見を伺います。

 社会心理学に「確証バイアス」という用語があります。これは、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという現象を言い、つまり、安全が危機にさらされ不安が増大している時、人は思いこみや自分に都合のいいことしか見ようとしないことによって最悪の事態を想定しがちな場合に使われます。私は、知事の一連の対応を見るにつけ、この言葉を思い浮かべてしまいます。

 私が申すまでもなく、信頼は築き上げるのには時間がかかりますが、崩れるのは一瞬です。県民からはもとより、被災地の方々を始めとする県外の方々からの信頼が損なわれぬよう、広域自治体の長としてできる限り広い視野と度量を持ちつつ、「明日は我が身」ではありませんが、将来的に不測の事態が起きた場合に本県が国民や地域、自治体からの絆に安心して包まれることができるよう意識して頂きたい。県益の増進に向け、知事からの懐の深い対応とご尽力を心からご期待申し上げます。

2、知事の政治姿勢について

<アベノミクス>

 知事はこれまで何度も「高橋是清」を引き合いに出して、金融緩和政策と大規模財政政策によるマクロ経済対策の重要性について語ってきましたが、それを踏襲したアベノミクスによって、円安が急激に進み日本経済は久々に色めき立っています。

 このように盛り上がりつつある中、注意しなければならないのは、急激な円安による暮らしへの打撃対策はもちろんですが、不十分なところでブレーキをかけることで折角好転してきた経済環境が再び悪化することだと考えます。しかしながら、一方で、アベノミクスが「行き過ぎた」場合には金融の大惨事が起きないとは言い切れません。例えば、国債を買いすぎると通貨の発行権を持つ中央銀行が政府の借金を肩代わりしていると見られてしまい、「財政ファイナンス」と呼ばれるこの状態に陥れば中央銀行と通貨への信頼が失墜し制御できないインフレを引き起こしてしまうなどです。従って、重要なポイントは「アベノミクスが行き過ぎないタイミング」を見極めることですが、アベノミクスに潜むリスクと、「行き過ぎない」タイミングについてどのようにお考えか、知事の見解を伺います。

 なお、知事は「水準で見ると、現在の円の実力は1ドル105円近辺だと思っています」と表明していますが、専門家は「為替の最大の特徴は『フェア・バリュー(適正価値)がないこと』」と言い、株ならば将来の予想利益から現在価値を割り出せるが、為替は短期的な市場の思惑から長期的な物価水準まで変数が多すぎて確かなことは誰にも言えない」とする中で、その根拠は何か。お伺いします。

 専門家や有識者の意見でおおむね共通するのは、成長戦略の中身と実行力がアベノミクスの成否の鍵を握るということです。つまり、流動性供給によって中央銀行が時間を買っている間に、必要な構造改革を実行すること。規制緩和によって国内に新しい産業を作り出し、構造転換を図ることです。この点、現在の国の取組み状況に対する所感を伺うとともに、本県は今後どのような取組みを進めるつもりなのか、知事の所見を伺います。

 記者会見で知事は、「アベノミクスで最終的な評価が問われるものは、(中略)額に汗して働く人の賃金が上昇するというところにたどり着かなければいけないと思っています。そのために地方政府としてできることはしっかりとやっていきたいと思います」と述べるとともに、説明要旨において経済構造の変化に「県としては、様々な情報をアンテナを高くして収集し、問題があれば組織全体として対応できる体制を構築して参りたい」と述べておりますが、「地方政府としてできること」とは具体的にどのような対応をお考えなのか、また、「問題があれば組織全体として対応できる体制の構築」とは具体的にどのような体制をお考えなのか、知事の見解を伺います。なかでも、急激な円安によるエネルギー価格の上昇や家計消費の打撃など暮らしに対する手当についてどのように考えているのか。また農作物等への投機や企業の内部留保にまわることについてはどう考えるか、知事の見解を併せて伺います。

<消費税増税>

 昨年の3党合意に基づけば、このように景気経済が浮揚したのちに消費税増税が待ち構えていますが、増税実施の条件を知事はどのようにお考えか。また、軽減税率導入について与党の軽減税率制度調査委員会で検討が始まりましたが、どのような制度設計が望ましいと考えるか、そしてその中で新聞や書籍の扱いについて知事はどのような見解をお持ちなのか伺います。

<TPP>

 TPPでも動きがありましたのでお尋ねします。

 知事が説明要旨の中でも触れた通り、先の日米会談において「交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」とした共同声明が発表されましたが、同時に、特定分野の保護を認めて交渉手続きを始めることはなく、日本がTPPの交渉に参加する場合は、全ての物品が交渉の対象とされることが確認された。つまり交渉のテーブルに「米」も置かれるわけですが、「米は絶対に譲れない」とする姿勢を貫いてきた知事におかれては、今回の合意条件での交渉参加をどのように受け止めているのでしょうか。見解をお伺いします。

<社会保障の充実>

 次に、「攻めの県政」を標榜する中、「夢おこし政策プラン」でも満足度の弱さがたびたび指摘され、置き去りにされかねない社会保障分野に対する知事の強い決意を伺わせて頂きます。

 知事は7年前の平成18年2月定例会において、上杉鷹山の米沢藩改革を例に、鷹山が藩経済の基盤強化という「産業」と、弱い人に力と光を当てるという「福祉」に取り組んだことに倣って「福祉」への決意を述べておられたのを勿論ご記憶かと存じます。当時、知事は「産業は福祉の糧」として施策を推進する意欲を示しておられましたが、あれから7年の時間と経験と実績を得ましたし、少子高齢化や人口減など、本県を取り巻く環境も変化する中、「福祉」や「社会保障」の分野に県として今後どのように臨むのか、知事の力強い決意を県民に向かって発信して頂きたく存じます。

 そうは言いつつも、社会保障や福祉の分野は実質的な決定権は国が有し、事務事業は都道府県と市町村に分散されているものの、実態は市町村が実働部隊となるため、県の役割が見出しづらいという側面もあろうかと存じます。こうした中で福祉や社会保障分野に対する県の役割のひとつに、私は県内市町村間の格差是正もあるものと考えます。

 一例を挙げると、私の選挙区の上越市は、介護保険料は制度が始まった2000年度から3年ごとの介護保険事業計画見直しを行う中、65歳以上の介護保険料基準月額は第1期2615円、第2期2930円、第3期4350円、第4期5017円と右肩上がりにあり、第5期ではここから更に3割引き上げを2012年度から実施しています。65歳以上の保険料の水準は、計画期間に想定される介護サービスの総量と65歳以上人口の比率によって決まり、65歳以上の要介護認定率20.5%(2009年度)で、全国平均16.2%、県平均17.2%に比べて高い上、要介護度の高い人が多い。これらの傾向が続いているため、保険料が他市町村と比べて高い水準で推移しているのです。

 新潟県全体の介護保険料の平均も全国のトップレベルにある一方、後期高齢者医療制度の保険料は逆に全国の最下位に近いレベルにあります。これは高齢者のケアを新潟県では医療でなく介護の分野でしていることの表れであると認識しておりますが、後期高齢者医療費は県全体の広域連合で実施しているのに対し、介護保険は市町村単位で行っており、介護保険料においては市町村間において大きな格差が生じております。

 そこでお尋ねしますが、福祉や社会保障分野に対する県の役割について知事はどのように考えているのでしょうか。また、市町村格差が生じている分野に対しては、是正すべく県がしっかりと後押しをすることが、広域自治体の役割にも資するし、県全体の豊かさの底上げになるものと考えますが、知事の所見をお伺いします。

<人口と企業数の増加に向けて>

 知事の政治姿勢の項目の最後に、人口と企業の増加に向けた対策についてお尋ねします。

 まず人口対策について、知事の主旨説明によれば「人口問題対策会議」を関係部局長と民間有識者で構成し、年度内の設置を予定しているとのことですが、ここで忘れてはならない大事な視点は、市町村との連携です。県は県で課題解決の検討を進め、市町村は市町村で人口問題対策を行うよりも、市町村の意見を吸収するなどして互いに密に連携しながら一丸となって人口問題にぶつかることが現状打開のスピードアップにもつながるものと考えます。この点、知事はどのようにお考えなのか。また、人口問題対策会議の設置の考え方とスケジュールについて併せて伺います。

 県が今年128日に発表した「人口移動調査結果」を基に、「人口減対策は県内自治体の財政力によって差が生じている」との報道がありました。ここでは「人口減に一定の歯止めをかけた町村はいずれも財政基盤の強さを示す財政力指数が高く、自前の財源で財政運営ができる地方交付税の不交付団体。豊かな財政力に支えられた独自の施策展開が可能だ」と報じられています。この指摘を知事はどのように受け止めるのか伺うとともに、広域自治体として人口移動の格差是正にどのように取り組むべきとお考えか、知事の見解を伺います。

 人口だけでなく、働く場所確保のためにも、企業も増やしていかなければなりません。今年14日の年頭記者会見と昨年12月の記者会見で知事は「円の水準によるのですが、マクロ政策の変更に伴う企業誘致の可能性も出てくると思います」と述べるとともに「経済規模に合ったマネー量を確保しておくということで、円も適正水準に戻る、工場も海外から戻ってくる、働く場所もできる」と仰っていましたが、県として今後、企業誘致の可能性をどのようにキャッチアップし実現するつもりなのか、また海外から戻ってくる工場をどのように本県に引き込むつもりなのか、知事の見解を伺います。

3、新潟ブランディングについて

<CIとブランディング>

 4年前の平成20年12月議会において、私は「県の新たな姿について」と題する項目で、農業、アグリカルチャーを基軸に据えた個性を前面に押し出すべきとの考えのもと、以下のような質問を行いました。

 「ひととき、自分自身の望ましいイメージを目標として掲げ、その目標に向かって戦略的または計画的にさまざまなコミュニケーションを図っていく活動、いわゆるコーポレート・アイデンティティー、CIを導入したイメージ戦略がもてはやされた時期があった。今となっては大分下火となったが、本県は個性を彩ったコピーを高々と掲げ、それを目標にCI推進を図るべく、県内外のみならず、国内外に発信でき得る体制を整えるべきと考える。(中略)昨今の世界的な食料・エネルギー事情や食の安全・安心に向けられたニーズ、地球温暖化を防止すべくの環境対策、そして我が国における食料自給率向上の要請など、時代の流れはまさしく農業にあり、その拠点基地として、これまでのメード・イン・ジャパンとともにメード・イン・新潟として、さまざまな関連商品、関連サービスをつくり出し、県内外、国内外に発信、提供する。この個性に沿った港湾の整備や空港の整備などを行っていくとともに、バイオ産業やバイオ工場、安心・安全な農作物生産、エコエネルギーの研究開発、著名な大学の理工学部や農学部の誘致など、アグリの個性に準じた企業誘致、企業育成、そして産業クラスター化を図ることで、未来に向けて本県はさらに力強い基盤を築くことができるのではないか。アグリは、何もインフラ整備や産業に限ったものではない。観光や教育でも農業体験、田舎体験、温かいおもてなしといったサービスをアグリに絡めて提供できるし、医療においてもアグリメディカルとして、こちらもさまざまな特徴を打ち出していけばいい」

 と訴えたのです。

 これに対し知事からは、「本県の個性とは人それぞれの価値観によって異なるものであり、これを県が1つに定めるということは必ずしも適切でないのではないかというふうに考えております」と一蹴されてしまいましたが、改めて、個性の凝縮とブランディング化ならびにその情報発信体制の強化について知事の見解を伺いたく存じます。

 と言いますのも、私が所属する産業経済委員会の県外視察で先日、オリーブの個性を凝縮し発信する小豆島や、「うどん県」に改名をした香川県に訪れ、本県のブランディング化の必要性、重要性を改めて痛感したからです。香川県の説明によれば、全国的な知名度不足を何とかせねばと始めたところ、予想を大幅に上回るほどに反響は大きく、現在は「一過性にしてはならない」として「うどん県。それだけじゃない香川県」とPRしています。これが直接的な原因かは定かではありませんが、「住んでみたい都府県調査(首都圏)」によれば、香川県は平成22年度4.2%、平成23年度5.3%、平成24年度5.7%と年々魅力を高めているのは事実です。

 ブランドとは、目に見えるものだけではなく目に見えないものを信じさせる力だと言われています。今後の文化戦略を考える上で、国家や自治体、地域が価値や魅力を再発見し、創造していくブランディングは欠かせません。国家ブランディングの先駆けとなったのは、ブレア政権下のクールブリタニア運動。当時の報告書によれば、英国内において「ブリティッシュ」のイメージが確立されていないと指摘するとともに、外務連邦省、通産省、政府観光庁、文化振興会など、各機関に年約8億ポンドも費やしているにもかかわらず、活動内容に統一性を欠いているがため、従来の歴史・文化的なイメージ路線から脱することができないとした。このため国のアイデンティティー戦略を一貫させることが政治的社会的効用を生むと説明したのです。

 我が国においても現在、政府が「クールジャパン推進会議」を設置し、メンバーにAKBプロデューサーの秋元康氏が参加するなど、ようやく動き始めたところです。本県でも、このような部局横断体制をもって個性、アイデンティティーを確立し、県内外に響き渡りうるキャッチコピーを発掘し磨きをかけながら、ブランディング戦略に更に力を入れて発信すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

<米粉>

 私が新潟ブランディング戦略の核となるべきと考えているのが米粉です。本県ではR10プロジェクトの取組みを筆頭に全国のトップランナーとして走り続けており、知事を始めとする関係各位のご尽力に心から敬意を表します。

とはいうものの、こうした懸命な努力とは裏腹に、2012年産の米粉用米の生産が作付面積6437ヘクタールで前年より12%減り、生産量も同14%減の3万4521トンと初めて縮小に転じるなど、米粉を取り巻く環境は厳しくなりつつあります。その理由として、農水省は「大手製粉業者が在庫調整のため産地への発注を減らした」と説明しています。

 私の周辺でも、米粉の現状として、新規需要米が適正在庫であれば米粉の販売価格150円/kgなのが、現状は米粉の在庫異常過多で乱売合戦が行われ実売が100円/kgをきり、最安値は80円/kgにまでなっているうえ、在庫処分のために大幅赤字でも販売しようにも、食品メーカーに使用用途が無く販売ができない状態にあるといいます。

 また、米粉食品が使用用途に広がりを見せない原因として、用途制限が強すぎるとの指摘もありますし、米粉には作付や価格の安定感が不足しているため、食品メーカーが使用に躊躇している実態もあります。政策により価格や製造に不安があるので使用に踏み切れないのです。備蓄米が100万トン集荷されれば今年度の上乗せ補助金などはなくなるし、備蓄米の入札そのものの単価が下がる。その結果、来年度以降備蓄米に回った米が加工米等に流れ込み暴落もありうる。つまり生産者側の損失となるのです。

 このような厳しい状況を打破するためには、作付や価格を複数年で安定させること、米粉の使用用途を拡大すること、商品化推進を支援することができればと私は考えておりますが、国の制度設計のハードルなどからすぐには対応できないのが実状です。そのため、このままでは米粉の需要拡大の道のりは険しいことが予想されますが、米粉のトップランナーである本県として、こうした状況を打開するためにも、米粉の推進に向けた知事の更なる力強い決意を頂きたいのですが、いかがでしょうか。また、R10プロジェクトの取組み状況を含む本県における米粉の現状と課題、ならびに対策についてお尋ねします。

 知事はマニュフェストにおいて「金のたまごを産むニワトリ」を育むとしていますが、米粉を金のたまごを産むニワトリにしなければならないと私は考えます。未開の地を走るトップランナーだからこそ困難や失敗はつきものです。ですが、国や市町村を巻き込みながら、官民一体となって諦めずに全力の試行錯誤を続けることで、その先に成功があるものと確信しています。

 米粉は今はミクロ単位が基本ですが、これがナノ単位にまで細かい粒子になると、化粧品にも医薬品にもなりうるのです。県としてこうした分野への研究開発にも力を尽くすことで、将来的には本県の米粉商品がメイドイン新潟として、世界の中のいわばグッチやヴィトンのような価値、輝きを持って市場に羽ばたくことを私は夢見ています。知事におかれては、部局横断的取組みを促進して頂くとともに、前向きな失敗には寛容になって頂きながら、物心両面からの絶大なるご支援を賜りますよう、切にお願い申し上げます。

4、上越地域の課題について

<並行在来線>

 まずは並行在来線について。昨年2月17日の国交大臣との歴史的合意から始まり、ここにきてのJRを始めとする関係者、関係団体との様々な財政的合意や新たなスキームの提示など、並行在来線を取り巻く環境は大きく動いております。これまでの知事の情熱と取組みに心から敬意を申し上げるとともに、これからも変わらぬ熱意と行動力を上越地域に注いで頂きますよう、心からお願い申し上げます。

 はじめにお伺いしたいのが「県の責任」についてです。前知事時代の約束として、平成9年および12年に「県は沿線市町村の協力を得ながら、県が責任をもって存続を図る」と確認しました。知事はこれを強く意識され、熱心に果たされているものと受け止めておりますが、県が持つべき「責任」の内容と、市の「協力」の中身について、財政負担の観点も含めて、知事の見解を伺います。

 次に、並行在来線の新駅設置と周辺のインフラ整備についてお尋ねします。ここは市の考えが前提となると考えますが、負担の在り方も含めて県としての方針を伺うとともに、新駅設置の具体的な動きについて伺います。

 接続についてもお聞かせ下さい。将来的な利用者増には接続の安定化が不可欠なことは言うまでもありませんし、ここを議論する際には、外部の視点を持つことがとても重要になると考えます。特に雪国であるからこそ、この部分をしっかりと意識し対応しなければなりません。そこでお尋ねしますが、直江津駅でのスムーズな接続に向け現在、どのような議論がなされ整備、取組みを進めようとしているのか伺うとともに、隣県会社や北越急行との乗り入れ調整にあたり現在、どのような議論がなされ、どのような方向で動いているのか、お尋ねします。

 次に、除雪体制についてお尋ねします。昨年の大豪雪時には信越線が大変な目に遭いました。その頃はちょうど学生の試験期間でもあったため暮らしの面で様々な影響があったことは記憶に新しいでしょう。天候が相手ですから勿論、会社として除雪にも限界があろうかと存じますが、大事なことは会社の総力を挙げることはもとより、関係機関や関係市との強力な連携で臨むことです。「分離後は暮らしに大きく影響するような事態は絶対に起こさない」という気概で除雪体制づくりに取り組んで頂きたいのですが、除雪体制の具体的方針についてお尋ねします。

 並行在来線の最後に、IT活用の促進を提案致します。経営基本計画素案に目を通すとこの点の記載がないのですが、ITによる情報収集・発信体制の充実は利用者増や利用者の安心感の醸成などに繋がるに違いありません。この点の記載を求めるとともに具体的に整備促進をすべきと考えますが、見解をお尋ねします。

 いずれにしても、並行在来線の安定経営のためには「来たくなる、降りたくなるまちづくり」を同時に行わねばならない。100年に一度と言われる北陸新幹線新時代のまちづくりに向け、関係市の考え方がまず前提となるべきことは当然ですが、一方で、私の所に市民からたびたび届くのが「県ももっと積極的な関わりを持って頂きたい」という声ですので、知事にお伝えするとともに、物心両面からの力強いバックアップを心からお願い申し上げます。

<小木―直江津航路>

 北陸新幹線開業に向けて、佐渡汽船小木―直江津航路も起爆剤のひとつと期待が集まります。この運航体制を見直す協議会が開催されており、中古のジェットフォイルと現行カーフェリーでの2隻体制とする案や、高速フェリー導入案が議論され、先月21日の協議会では、佐渡汽船から財源の一部負担も提案されたと報道されていますが、その協議会の議論の内容についてお尋ねするとともに、それに対する知事の所見を伺います。

 また、2隻体制案と高速フェリー1隻体制案それぞれのメリット・デメリットならびに課題について伺うとともに、3自治体にとって負担が可能か検討する場を別途設けるとしていますが、その進め方についてお尋ねします。

<県立武道館>

 次に、県立武道館について。来年度予算案に盛られた「県立武道館検討調査費」では、基本構想策定に向けたマーケティング調査や検討会議を開催するとしていますが、具体的にどのような調査を行うのか、また今後のスケジュール見通しはどうなのかお尋ねします。

<上越沖のガス田&メタンハイドレート>

 最後に、上越沖のガス田およびメタンハイドレートについて伺います。

 石油・天然ガス田については現在、JXが試掘を行っており、おそらく掘削も行うのでしょうが、商業化に向けてどういう企業体・コンソーシアムで行うのか注視しなければならず、本県、特に上越市に恩恵がくることを強く望んでいるところですが、地元への恩恵を県はどのように捉えているのか伺うとともに、今後の課題と対応策について伺います。

 上越沖に眠るとされるメタンハイドレートにも期待が集まります。昨年9月に10府県で「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」が設立され、これにより来年度予算で表層型を調査するなど賦存量や調査費が計上されたことは、まさに知事の手腕の賜物と受け止めています。そして、こちらも気になるのが地元へのメリットと今後の見通しです。この点、まだ全く不透明な状況なのでしょうが、まずは試掘と採掘権限を確保できるよう本県として課題を精査しておかねばなりません。そこでお伺いしますが、日本海側のメタンハイドレートについて、その商業化にはどのような課題があるものと県は受け止め、その対応策をどのように考えているのか伺います。また、大手に比して人的資源や機材などでどうしても差が生ずる中、地元への恩恵に向けた課題と知事の決意を伺います。

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