活動

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2009年03月06日

議会一般質問原稿

2009年 2月議会一般質問原稿

まずは知事の政治姿勢についてお尋ねします。
2月21,22日実施の産経・FNNの世論調査によれば、麻生内閣の支持率は11.4%、不支持80.2%という数字であり、一部には1ケタ台にまで落ち込んだとする世論調査もあります。この数字は、「新自由主義」を基調とする「小泉竹中路線」の基本政策であった「市場原理主義」「天下り」「対米隷属姿勢」に対し国民の怒りが沸点に達していることの表れであるとともに、戦後最悪とも言われる深刻な景気後退に見舞われているというのに麻生内閣の政策には一貫性が見えず、加えて閣僚の失態から垣間見る指導力不足。海外誌ニューズウィークからは「ポンコツ日本政治」とまで揶揄される始末。それでも首相の座に居座る麻生の姿に国民が「不信任」を突きつけている証であると私は考えますが、知事は麻生内閣が支持されない理由をどのようにお考えか。また、麻生内閣をどう評価しているのでしょうか。お伺いします。

また、この「小泉竹中路線」は、過度の規制緩和による生活面や安全安心面への不安の増加、正規労働者の減少、生活保護世帯の増加など弱者切り捨ての格差社会をもたらし、「年越し派遣村」が象徴するように今まさに派遣切りが深刻な社会問題化していることは周知の事実。こうした状況を受けてか、先日の衆院予算委員会で麻生首相は「市場経済原理主義との決別」を表明しました。
本県としても今こそ明確に「小泉竹中路線」、いわゆる新自由主義とは一線を画した県政運営を推進すると宣言すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。

これまでの議会質問でも何人もの先生方からお話しがありましたが、県民にとって気になるのが実体の経済状況です。
この点。麻生首相は2月9日の衆院予算委員会において、「我々の経済状況は他国に比べたら傷は浅い」と述べ、その前日8日の講演では「日本はそんなに大変か。他の先進国を比率でよく見てもらったらそんなに大変じゃない」とも語ったとのこと。
この麻生認識に対しては様々な反応もありましたが、知事におかれては、他国との比較も含め我が国の経済状況をどのように分析し、県民はどのような現状認識を持つべきとお考えか、お伺いします。

一方、アメリカの中央銀行にあたるFRBのバーナンキ議長は2月24日、議会証言し、「政府や議会が金融市場の安定を回復することに成功すれば」という条件付きながらも、「今年中に景気後退が終わる」との見方を示し、さらに議長は、「今年前半は経済が著しく収縮するものの、後半には緩やかに成長が回復する」と表明しました。
まだまだ政局がらみの不透明な部分も多々ありますが、今後の我が国及び本県の景気動向をどのように見通しているのか。県民へのメッセージとして、知事のお考えを表明して頂きたく存じます。

次に、予算関連についてお尋ねします。
昨年の私の「埋蔵金」に関する質問に対し知事は「資産のうち流動性が最も高い資産というのは財源対策的基金。残りの資産については、直ちに財源として活用できないものも含まれていますけれども制度改正を含む見直しによって可能な限り流動化に努めていくべき」とお答えになりました。
本県は平成19年度末で約5.5兆円の資産を有していますが、453億円の財源対策的基金以外の5兆円の資産のうち県の裁量で流動化する予定のものはあるのでしょうか。それとも基金以外は全て何らかの制度改正がないと活用できないものなのか。今後の流動化の可否についてお伺いします。
昨年の企業会計決算審査特別委員会においても知事は「既存の制度、枠組みを変えていく必要があるケースも当然ある」と仰っていますが、現時点で腹案にある制度改正等が必要となるケースとはどのようなものを指すのでしょうか。また、その「当然ある必要なケースの制度改正」を積み上げていくと400億という数字が弾き出されるといった理解でよろしいのか。400億円の数字の「具体的」根拠を改めてお伺いします。
仮に、現段階で使える可能性を含めた400億円の具体的根拠を説明できないのであれば県民に説明責任を果たせる数字ではないので今ここで撤回すべきでしょうし、もし説明できるのであれば、現下の経済情勢に対応すべく1日も早い掘り起こしに力を注ぐべきと考えますが、知事の見解をお伺いします。

昨年の企業会計決算審査特別委員会の議事録によれば、「県の埋蔵金400億円」の根拠について、企業局長は個人的に「400億円を調達することは難しいだろう」と述べ、監査委員からは「少なくとも今の制度の下でいわゆる、へそくり、タンス預金というのですか、隠し金に相当するものはないというふうに考えております」との見解が表明されるなど、いわば知事の発言が打ち消され、戸惑う現場が垣間見えます。
企業局長は同日、「知事はあれ以来400億円の根拠をお話しになりませんので、それ以上は推測するしかない」とも述べています。知事に考えがあれば、それを幹部をはじめとする職員と擦り合わせるなど健全な情報共有を行う必要があり、特にその数字によって現場に混乱が見受けられるとなればなおさらのことでしょう。それがなぜ行われないのか。本件について当事者である企業局長と情報のすり合わせをしない理由についてお尋ねします。
いずれにしても、担当者が根拠の曖昧な数字に翻弄されるなど現場に戸惑いを残したまま突き進むのではなく、真に活用可能な資産の姿をより明確にすることで県の財政状況を正しく把握し、そのうえで実行可能な範囲で適切な予算配分をして頂くことをお願い申し上げます。

予算関連でもうひとつお尋ねしたいのが、現下の緊急の経済情勢に追い打ちをかける少雪についてです。一昨日の答弁で知事が「異常ともいえる暖冬」と述べたように、今冬の降雪量が平年の1割?5割程度となっては、雪国として経済が成り立つ本県にとってあまりに大打撃と言え、なかでも切実なのが除雪です。
「建設業者の経営体力が減退する中、業者の除雪離れが懸念されている」との声も聞きますが、今冬の少雪による除雪業者への影響についてお伺いするとともに、実際に除雪離れの実態があればその現状について併せてお伺いします。

除雪に対しては、本県が今年度から県独自に「基本待機料制度」を創設するなど、現場の声を十分理解された上で安定的で持続可能な除雪体制の確立に尽力されていることは素晴らしいことですし、知事は昨年6月、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長として国に対し「平成21年度政府予算に対する要望」を行ったとも伺っています。
この要望を私は大いに注目しているのですが、国の反応は消極的だったと伺っています。実現に向け今後更にどのような行動を起こしていくつもりなのか。また、県独自の最低保証制度を拡充できないのか。知事の見解をお伺いします。

次に、農業についてお尋ねします。
知事のこのところの農業に対する政策は、「やっと本腰を入れてくれるようになったか」と大変嬉しく思いますし、その上でこのたび所得保障モデル事業に踏み切った果敢なる挑戦に敬意を表します。
所得保障モデル事業は全国に先駆けた案として大きく注目を集めていることは間違いありません。これまでの答弁から察するに、知事はその効果を確信しておられるようですので、本事業を更に意義あるものにするためにも、知事には是非、知事会で本制度の必要性を訴えて頂き、知事会の意見として国に意見を上げるよう力を込めて頂きたいと考えますが、いかがでしょう。

農政については今国会でもいくつか動きがあります。そのひとつが、昨年の事故米事件を受け提出に至った、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案」いわゆる「米トレーサビリティ新法」です。
そこでまず1点、本制度が導入された場合、産地偽装等を防止することになり、米のブランドが確立している本県にとってはプラスになると考えますが知事の見解をお伺いします。
この法案自体は食の安全対策を進めるものであり、方向性には異論を挟みません。しかしながら、BSE事件が起これば牛トレサ、事故米事件が起これば米トレサと、トレーサビリティーについては、政府の場当たり的な姿勢が目に付きます。
牛だけ米だけでは不十分な対応であり今後その他の食品までもに対象を広げるべきですし、そうした国内整備があって初めてWTO加盟の貿易相手国に対し、「相互主義」や「内外無差別の原則」に基づき強い姿勢で臨めるというものと考えますが、知事の見解をお伺いします。

今国会でもうひとつの目玉が、「平成の農地改革」とも言われる「農地法等の一部を改正する法律案」です。その中身は、?病院や学校等の公共施設設置を農地転用許可対象とし、?違反転用に対する罰則を強化、?農地の権利を有するものが農地を適正かつ効率的に利用する責務があることの明確化など、農地転用規制などによる農地を確保し、制度の基本を「所有」から「利用」に再構築することとしています。
農地の確保・農地の効率的な利用という大きな流れには賛成しますが、一点気がかりな点があります。それは、「全ての地域」において農業生産法人以外の株式会社などの法人に対して農地の貸借を認めている点です。
優良な農地である農用地区域での農地の貸借について株式会社の参入を認めることは妥当でないと考えますが、知事の見解はいかがでしょうか。
また、参入を認めた場合の、従来の家族経営農業や地域農業への影響をどのように考えるか、知事の見解をお伺いします。

農業についての最後に、少雪の影響で、農家の方々からは水不足を懸念する声や、害虫の早期発生を懸念する声などが後を絶ちません。少雪による農業への影響について伺うとともに、それに対してどのような対策をとるおつもりか。お伺いします。

続きまして、観光等についてお尋ねします。
今年は言わずと知れた「大観光交流年」です。そして、これまで何度も議論されてきたように懸念されるのがやはり一過性でしょう。この勢いをできるだけ保ち続け一過性で終わらせないためにも、ここで一つ提案をさせて頂きたいのが、「新潟県版デスティネーションキャンペーン」。これを毎年県として実施してみたらいかがでしょうか。
JRのデスティネーションキャンペーン(以下、DC)は周知の通り、昭和53年に始まったもので、都道府県単位を主として、概ね3カ月の期間を設定し、JRが宣伝や交通手段の確保を、地元がイベントの準備を行うことで目的地としての注目を集め誘客を図るものです。
新潟県は広いので、まんべんなくというと効果が薄くなるうえ、予算配分の中で均等となると、どうしても「のっぺら」となる。例えば、上越に備わっている性格は下越のそれと異なります。これらをまんべんなくというと正に「のっぺり」。ときには集中投資も必要ではないでしょうか。
新潟版DCは、エリアでやってもいいし市単位で行ってもいい。そして四季折々で表情が変化する本県としては、時期や季節において柔軟に対応できる仕組みにするといいでしょう。
近年、愛媛県が県内の底上げをすべく県南部の南予地域における観光振興に力を注いでいる事例がありますが、本県が本格的に始めれば全国で初となり注目を集めることも期待できます。JRによるDCや大河ドラマが去った後も、年ごとに重点地区対応がなされるとなれば県内地域の活性化にも繋がるでしょうし、長期的なビジョンで新潟県全体のレベルアップにつなげることも大いに期待できましょう。
以上、新潟県版DCの導入に対する知事の所見をお伺いします。

ここでひとつ大変興味深い事業「にいがた狼煙プロジェクト」をご紹介させて下さい。
私の選挙区である上越市では20年ほど前から春日山城跡で狼煙を上げていました。その後、市町村合併を記念し平成17年からは市内約20か所で上げるようになりました。この上越の狼煙上げをモデルとして立ち上がったのが「にいがた狼煙プロジェクト」です。中越地震から3年の節目に合わせ「復興の狼煙をあげよう!」の掛け声のもとで始まった本事業は今年10月17日に3歳を迎えます。
中世の通信手段の一つである「狼煙あげ」を通じて、見る者に元気を発信するとともに、郷土の歴史を知り地域を再発見することで、山城の古道整備や里山の再生、地域活性化、観光振興などに繋げることのできる素晴らしく奥行きのあるイベントです。
私も昨年、春日山城におきまして上杉謙信公に扮し、狼煙用に積み上げた薪の燃え上がる炎を前にして、プロジェクトの成功と地域の元気発展を祈念する口上を述べさせて頂きました。印象的だったのが、見物客が非常に多かったこと。その中には静岡県の沼津市からわざわざ狼煙を見に来たという若者たちも見受けられました。そして狼煙が上がった瞬間、大歓声が上がったことでした。

狼煙の規模を見ても、開始当初は92か所だったのが、翌年126か所と大幅増となり、それは新潟の枠を超えて長野県、石川県、福井県、そして滋賀県にまで波及していきました。今年はその輪が更に広がることが大いに期待できます。
このように今や全国的に広がる勢いのある「狼煙プロジェクト」は新潟から始まったものです。本県の誇る一大イベントの一つとして大きく育てる責務があると思いますし、それだけの価値はある。そして、今年の勢いを一過性に終わらせず、「狼煙リレー」の如く今後の本県観光の更なる盛り上がりに繋ぐことのできる事業だと私は確信しています。
新潟発として全国規模の可能性を秘めたこの素晴らしいイベントに、知事からも今年実際に足を運んで頂くなどして改めて大きくご注目を頂きたく存じますし、復興の狼煙の輪が全国に広がるよう県からの強力なバックアップを求めますが、見解をお伺いします。

さて、先の冬季国体での18年ぶりの総合優勝は本県にとって誠に喜ばしいことでありますし、この勢いを是非次なるときめき新潟国体に繋げて頂くべく、関係者の皆さまにおかれましては引き続きのご尽力を期待してやみません。
国体で気になるのが、訪問客のうちどれだけの方々が新潟の魅力を堪能のもとリピーターになってくださるかということです。
国体局は運営に主眼を置きがちになってしまう。一方で、いらして下さった方々はそれがどんな目的だとしても会場を離れれば観光客となるためそこからは観光局マターとなる。つまり、県庁内の横の繋がり・連携が強烈に試されることは言うまでもありません。
そこでお尋ねしますが、冬季国体では選手・役員・親族など訪れて下さった方々にどこまで新潟の魅力を味わってもらったと認識しているか。彼らを県内の見どころや観光ポイントに案内するなど新潟の魅力伝達に向けて手を尽くしたと言えるのでしょうか。県としての検証結果をお伺いするとともに、経済効果も検証すべきではないかと思いますが、併せてお伺いします。

国は国際会議いわゆるコンベンションを誘致する際、「アフターコンベンション」にも力を注ぎます。そこでは例えば夫人を対象にしたレディースコースをメニューに盛り込むなど我が国の魅力を最大限伝えるよう最善を尽くしている。翻って、国体はいわば国内を対象とした「スポーツコンベンション」。「アフタースポーツコンベンション」の視点に立った部局横断的な取り組みが求められることは間違いありません。
国体に限らず大規模イベント開催時に本県の魅力を発信していくためには、庁内の横の繋がりを一層強化し情報発信していく仕組みを整備することが極めて重要と考えますが、知事の所見をお伺いします。

観光とは少し離れますが、国体後もスポーツの魅力伝達や競技力の向上につなげるためには更なるインフラ整備も視野に入れる必要があると考えます。この点、地元ネタで恐縮ですが、議論が棚上げとなっている県立の「上越多目的スポーツ施設」について、県の取り組み方針を伺うとともに、上越市との間でどのような話し合いがなされているのか、また今後のスケジュール見込みについてお伺いします。

次に、北陸新幹線整備についてお尋ねします。
北陸新幹線建設費の地元負担増を巡る対応では、知事は忌憚なきご意見を発信しておられる。その根底には、国の直轄事業負担金制度に対する強い問題意識があるのでしょう。この廃止も視野に訴えていくという姿勢には私も賛同しますが、国に権限が集中するという厳然たる事実が存在する以上、その強固な岩盤を打ち崩すには、他県とりわけ周辺他県との連携は不可欠でしょう。そうでなければ発言権などなかなか高まらないというもの。ところが一方で、今回の負担増を巡る対応で本県と沿線自治体各県との間に温度差があると報じられています。
その背景には整備方法の違いがあるとも言われています。上越新幹線は国家事業としての位置づけにより旧国鉄などが建設したことで地元負担はゼロ。これに対し、北陸新幹線の場合は赤字膨張による「第二の国鉄化」を防ぐため、建設費はJRではなく国と地方が2対1の割合で負担することとなったのです。この不公平感があることに加え、本県にとって開通すれば2路線目となる北陸新幹線はデメリットも囁かれることから温度差に拍車をかけているとの指摘もある。
こうした温度差を知事はどのように受け止めているのか。また、早期開業に向けては勿論のこと、今後の広域連携の可能性や道州制を見据えた場合においても、沿線各県と歩調を合わせることが大変重要と考えますが、たとえば近々に会談の場を設けるなど、意見調整を図るべく何らかの対応を取るつもりがあるのか、お伺いします。

国の直轄事業負担金制度について知事は本定例会の冒頭、「問題の多い制度」と捉え「廃止も視野に入れて訴えて参る」と表明されました。一方で、県が行う建設事業等において市町村負担を義務付ける制度が存在します。これについてどのように考えるのか、知事の所見をお伺いします。

ところで、知事は2月12日の記者会見で、増額負担の情報における事務方の対応に「感性は少し修正されることを期待してます」と述べておりますが、今後修正に向け何らかの対応をとるおつもりなのでしょうか。確かに、知事の問題意識を把握して先回りするかの如く機敏で柔軟な対応をとれる人間がいればそれだけ県政運営が円滑化することは間違いないでしょう。しかし一方で、事務方としても法令通りに動くという責務がある。この狭間の中で知事は今後、職員の意識や行動をどのように改革していくおつもりか、所見をお伺いします。

ここで、今後の新幹線整備の在り方について幾つかお尋ねしたいのですが、金子国交大臣が、2月24日朝の記者会見で「整備新幹線は前倒しも当然ターゲットに入ってくる」 と発言し、2014年に予定されている北陸新幹線の開業を早める可能性があることを示唆したとされます。 景気対策の一環として、公共事業を前倒しするのが狙いとされますが、一方で、実際に前倒しするとなれば、26年度末までを視野に開業準備を行う本県にとってその影響は決して少なくないと考えます。
開通までにクリアすべき課題が未だ山積する中、大臣発言を受けての並行在来線スケジュールの見直しに対する知事の所見をお伺いします。
また、県は経営計画を策定中とのことですが、進捗状況について併せてお尋ねします。

現時点で優先してなすべきことのひとつが「県内地域別経済波及効果」の試算でしょう。というのも、住民を巻き込んだ運動が成否のカギを握る中で正直まだまだ県民レベルでの認識は深まっているとは言い難く、認識を深める材料として必要不可欠なのが地域別の経済波及効果と考えるからです。
石川県ではすでに試算を行い開業に向けて一丸となって取り組んでおり、本県としても県内地域別の経済波及効果の試算を早急に行うべきと考えますが、知事の見解をお伺いします。

さて、1月20日に上越市で開かれた北陸新幹線開業に向けた知事タウンミーティングにおいて、怒号が飛び交う一幕がありました。「知事は新潟市や県央偏重だ!上越に目を向けていないのか!!知事は上越地方に冷たい!!!」。会場の市民の切実な訴え。背景には、市民の間に「もっと上越地域を向いてほしい」という不満・不安が少なからず存在するからに他なりません。
あの日知事は自治体や市民の動きを引き出すために問題提起をしたのだと推察しますが、北陸新幹線開業を前にして市民にこうした不安が広がっていることは地域にとって決してプラスではありません。「自治体間の利害関係が複雑で議論が進んでいない」という認識とのことですが、利害関係が複雑であればこそ各市や市民に合意形成を委ねるのは酷というもので、山積みとなっている課題の解消や議論の促進には、県が主体性を持って調整に乗り出したり更なる積極的な情報提供を行うことが不可欠なのではないでしょうか。この点、当事者たる知事の所見をお伺いします。

また、タウンミーティングの冒頭、知事は「路線図を見た時、JRは上越にあまり列車を止める気がないなと感じた」と述べました。駅の在り方については、上越は「島式2面4線」で富山や金沢と変わらぬ方式を予定しています。列車が止まるか止まらないかは、昨日の記者発表にあった通り、制度上、停車駅等の運行計画は、営業主体であるJRが決めることになる。つまり具体的な運行計画についてはJRが需要を判断してからの結論となるのでしょうが、私はこの方式からJRが上越に列車を止める可能性は今後の対応の仕方によっては十分にあると捉えておりまして、この点改めて知事のお考えをお伺いしたく存じますし、今だ「止める気がない」感覚を覚えるのであれば、応分負担を考えれば、列車を全て新駅に止めるべく県からも積極的に介入すべきと考えますが、知事の所見と県の取り組み状況についてお伺いします。
いずれにしても、「安心・安全で、一人ひとりが大切にされる社会の実現」といったキャッチフレーズを掲げるからには、北陸新幹線の開業を控える今だからこそ、県からもっと上越地域に目を向けて頂きたい。そして、市民に安心を届けるべく開業に向けて上越地域が一丸となって盛り上がれるよう、知事からの力強いサポートに向けた決意をお伺いします。

言うまでもなく、今の経済状況は大変厳しく明るい材料も見出しづらく、まさに八方塞りの様相を呈している。その中で、県民・市民は本当に厳しい生活を余儀なくされており、私も挨拶まわりをしていると、そうした現実を肌で感じます。
市民から「政治になんとかしてほしい」という切実なお声を頂戴することが多々あります。そのつど「今、政治がなすべきこと、なせることは一体何なのか」ということを、喉元に突きつけられた匕首(あいくち)の如く考えずにはいられません。今こそ、政治主導の改革によってより良い方向性を確立しなければなりません。
問題は、恐れによって後ろ向きになり皆が防御に回ることです。大恐慌下に就任したアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は就任演説で「恐れなければならないのは、唯一、恐れそのものだ」と訴え、当時の「底がどこかなのさえわからない」恐怖を払拭するよう努めたとされます。
今必要なことは、知事のおっしゃるセーフティーネットの確立も勿論そうですが、「頑張ろう!」という県民の希望を奮うことのできる知事の強いリーダーシップでしょう。
その意味で、本県のトップたる知事からは、県民に分かりやすい言葉で語りかける姿勢、いわばメッセージとして、市場に対しては「あらゆる武器を使って危機を克服する」という決意を届けて頂く。そして、県民に対しては「恐れ」を「希望」に変えられるような力強い言霊を送って頂くことをお願い申し上げ、私の質問を終了致します。

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