2008年12月08日
2008年 12月議会・一般質問原稿

1、知事の政治姿勢について
去る11月4日、アメリカに歴史的瞬間が訪れました。民主党のバラク・オバマ氏が黒人として初めて大統領選挙に当選し、来年1月20日には正式にアメリカ合衆国大統領に就任するのです。「11月4日に有権者が選んだ変化の衝撃度は、どんなに誇張しても足りない。」とニューズウィーク誌は表現。それほどアメリカ国内ではこの「Change」を好意的に受け止めており、その余波はアメリカのみならず我が国を含め世界規模に影響を及ぼすと予測されます。

<オバマ政権の誕生>
オバマ氏に対しては各方面から様々な評価もあるでしょうが、気になるのはやはり彼の考え方とそれが日本に与える影響、そして新潟県に与える影響です。この点、まだまだ不透明な部分もありますが、現時点で漏れ伝え来る情報からで結構ですので、新潟県知事としてオバマ氏にどのようなことを期待するのか、お伺いします。

<拉致問題>
なかでも本県にとって最も気になるのが拉致問題への影響でしょう。オバマ氏は北朝鮮問題については直接外交重視を唱えブッシュ大統領とは路線を転換。一方で、テロ指定国家解除を「適切な処置」と発言。解除を前向きに評価し路線を継承したともとれるスタンスをにじませています。そこでお尋ねしますが、知事は北朝鮮問題に対するオバマ氏の姿勢をどのように評価しているのか。また、拉致問題の一日も早い解決に向け、この「Chenge」をきっかけに今後どのような行動を起こしていくおつもりか。お伺いします。

<政権交代の必要性>
アメリカ大統領選にはいくつかの性格がありますが、最大の特徴は「政権党の失政があれば、野党に政権が代わる」ということ。与党が失政をすれば、いつでも政権を奪いますよ、という心理的圧力を与党に与え続けてこそ国政に緊張感が生まれ、与党の自己規律も高まる。逆に言えば、与党が何をしてもそれがどんな失政であろうとも政権が変わらないとすれば、そこによどみが生じるのは世の常。更に言えば、「なにをしても変わらない」という構図は、ともすれば国民が無力感を覚え、それが政治に対するあきらめに近い感情を生み出しもします。
もはや我が国に政権交代が必要なことは疑う余地がありません。国政の変革は県政にも良質の変革を及ぼすはずですのでお尋ねしますが、政権交代の必要性について知事はどのようにお考えか、見解をお伺いします。

<中央と地方の格差是正>
知事は当選翌日の記者会見や10月29日のメルマガで、二期目の県政の重要課題を「中央と地方の格差の是正」と述べています。いわば国と新潟県の格差を是正すべきとのお考えでしょうが、3日の知事説明要旨で「農山漁村の疲弊を肌身に感じ」と述べられた通り、県の中でもとりわけ過疎地域等の条件不利地域において格差の影響が深刻であり、県は国と市町村の間のクッション役として、この地域の格差是正に優先的に取り組むべきと考えます。
県内過疎地域等が抱える格差について知事の現状認識と今後の対応方針をお伺いします。

2、景気対策について
このたび県は、制度融資の新規融資枠創設やバス業者への軽油高騰費補てんなど12項目、事業規模約200億円の景気対策を打ち出し、今定例会において69億4千万円の補正予算案を提出。「金融危機は実体経済に影響を及ぼしてくるので、早めに対策を講じていきたい」と述べられた通りのまさに迅速な行動でしょう。知事を始めとする関係各位のご尽力に敬意を表します。

<緊急支援策>
一方で、我が国の首相が「100年に一度と言われるほどの金融災害」と発言するほどこのたびの金融危機の嵐はすさまじく、そこに円高が追い打ちをかけるなど、企業業績や景気に対する不透明感はまだまだ根強いのも事実。まさしく災害の様相を呈しており、先の任期において数多くの災害に見舞われた知事にとって再び訪れた試練とも言えるでしょう。
知事の真価が形を変えて改めて問われるこの局面において、本県経済を取り巻く景況の現状と今後の動向をどのように認識しているのかお伺いするとともに、更なる景気対策の必要性について所見をお伺いします。

<制度融資の要件>
こうした金融・経済危機において、金融機関による貸し渋りや貸しはがしに頭を悩ませる中小企業の経営者の方も少なくありません。年末の年越し資金を調達できず倒産の急増も懸念される状況です。政府は信用保証協会を活用した緊急保証制度を大幅に拡充し、中小企業の資金繰り支援を始めました。しかし、こうした緊急保証は一時しのぎに終わる可能性が高く、さらなる支援を盛り込んだ追加経済対策が不可欠であり、本県としても例えば、公共事業を中心とした公的資金の投入など、有効と見込まれるあらゆる対策を取っていく必要があるでしょう。
この点、知事は先月「緊急座談会」を開き、「ばらまき的な支援ではなく、ターゲットを絞って必要な対応を取っていきたい」と述べたと伺っておりますし、3日の知事説明要旨で知事は「適宜、追加的対策を取って参りたい」と仰いました。ターゲットとは具体的になにをイメージしているのか。また追加的対策としてどのような施策を考えているのか。知事の所見をお伺いします。

<景気対策としての雇用環境整備>
雇用環境の悪化も大いに気にかかるところです。経営悪化を防ぐべく次々と非正規社員のクビが切られたり新卒予定者の内定が取り消されるなど、ただでさえ弱い立場にある労働者へのしわ寄せがこれでもかと襲ってくる様相には耐えがたいものがあります。これほど簡単に人員削減で雇用調節をしていいものなのか。雇用を守り、生活を支えるためにギリギリの努力はできないのだろうか。こんな思いが強く頭をよぎります。
先行き景気の下落局面が続くと予想される中で企業が安易な人員削減を行いたくなる気持ちもよく分かります。しかし、このような時だからこそ、コスト削減偏重型に陥るのではなく、雇用安定や勤労者の労働条件の改善にも精一杯力を注ぐ視点も欠かせず、このことが新潟県の長期的な成長に間違いなく必要だと考えますが、知事の見解を伺うとともに、今の経済状況下における県の雇用対策についてお尋ねします。
また、それに先立ち、新卒の内定取り消しの状況、非正規社員の雇い止めや契約の中途解除の状況、更には正社員を含めた解雇の状況など、本県における雇用の現状についてお伺いします。
雇用環境にも目を向けることで、勤労者の「やる気」が醸成されるでしょうし、その「やる気」が地域の「元気」につながり、その「元気」が連なって景気の気の部分を刺激する要素にもなるはず。「雇用にも目を向けるぞ!」といった知事からの前向きかつ力強い御答弁を期待致します。

3、農業について
<所得補償モデル地区制度>
知事のお考えによれば、新潟県内でモデル地区を選定しその効果を確かめ、その後国に制度化を働きかけるとのこと。県財政の苦しい中、まずはモデル的に実施し実際の制度化は国で行ってもらおうというお気持ちも分からないではありません。しかし、所得補償制度をモデル的に行うにはいくつか問題があります。
まず地区選定の問題。「やりたい地区はありますか」と聞けば、当然どの地域も「やりたい」と手を挙げるでしょう。その中からどうやって選定するのでしょうか。通常の補助制度はいいプランや努力に対して補助する。一方で、所得補償制度の基本は、プランや努力に対してお金を出すのではなく、その地域にいて農業を続けてもらうために出すもの。
(もちろん私たち民主党が提案する所得補償案では、努力に対する補助制度をしっかりと絡ませた内容に仕立てております。)
これらの点から考えれば、選定基準を決めるのは困難を極めるでしょう。
次に不公平感の問題です。この制度は農業者に直接お金を交付するもの。そうなると、「隣の村ではお金をもらっているのにうちの村ではもらえない」という不満が生じるのではないでしょうか。
また、効果がわかるまでの時間も課題でしょう。この制度の目的は、そこで農業を続け、住み、後継者にも農業を継いでもらう。そして最終的には農業の多面的機能を維持するというところにあると思いますが、この制度の効果が分かるまでにはかなりの時間を要するはず。効果を確かめてから国に働きかけていたら手遅れになることも懸念されます。
以上のような課題が内在する中で、例えば地区選定の基準など、知事はどのようなモデル事業をお考えでしょうか。これまでの答弁から「検討中」とのことですが、現時点での知事のイメージで結構ですので、お考えをお伺いします。
県のモデル事業として行うのであれば、その効果を県が受け止め、その結果如何によって、県が責任をもって本格的な制度を実施するべきでしょう。その後、必要であれば国にその成果を堂々と示し、制度化を働きかけていくのが筋ではないでしょうか。
所得補償制度はモデル的に行うのではなく、例えば、県内70%に及ぶ中山間地域であるとか、人口の減少や高齢化が著しいあるいはその恐れがあるという地域を対象にすべきであり、とりわけ農業立県たる本県としては、国頼みの行動だけではなく、予算を伴う条例化を視野に入れた本格的な制度を県が責任をもって実施すべきと考えますが、知事の見解をお伺いします。

<WTO農業交渉>
周知の通り、7月の交渉時にはほぼまとまりかけようとしていましたが、日本にとって幸か不幸か、アメリカが中国・インドと折り合わず交渉は決裂した。しかし、先日のペルーでのAPECも受け今や交渉は加速化。12月中旬にもWTOの閣僚会合が開かれ、交渉がまとまる可能性も浮上してくるなど、年内合意に向け最大の山場を迎えています。
日本は、重要品目の数について8%を守ると主張していましたが、6日に公表された改訂議長案は「原則4%、条件付きで最大6%」をたたき台として示すなど、我が国の要求は認められない形となりました。政府は「守るべきは守る」とポーズだけはとっていますが、このたたき台がスタートとなる交渉の中で本当に守れると思っているのでしょうか。8%を死守できなかったときは席を蹴って退席するだけの度胸はあるのでしょうか。
仮に改訂議長案で交渉がまとまれば、我が国農業は大きな影響を受ける可能性も出てきます。また米については、重要品目に指定した場合であってもMA米の増加を受け入れざるを得なくなるでしょう。すでに、毎年76万トン輸入しているMA米が、100万トンとか130万トンまで増えるのではないかとの話もあります。MA米による事故米の問題も起こったばかりの中で、このような事態は、生産者としてはもちろん消費者としても到底受け入れがたいもの。
このように甚大な影響が見込まれるにも関わらず、ガットウルグアイラウンドの時と比べると、現在までのところどうも盛り上がりに欠けるように感じてなりません。
WTO交渉は国レベルでの国際交渉であり、県としては見守ることしかできないのかもしれませんが、例えば国に対して要望書を提出するなど県としての姿勢を明確に示すとともに、講演や集会などの各種の機会やメディアなどを通じて交渉の状況や影響について県民に今のうちから周知し、「WTO農業交渉に立ち向かいなんとしても新潟県の農業を守るんだ!」という気概を盛り上げていくことが今まさに必要なのではないでしょうか。
また、考えたくはありませんが、万一交渉がまとまってしまった場合には、それに対応した国内対策が必要になります。ガットウルグアイラウンドの際には、使い方でいろいろと問題がありましたが6兆100億円が用意されました。まだ交渉中ですので当然かもしれませんが、これまでのところ政府からはまったく国内対策の話は聞こえてきません。これで日本の農業や新潟県の農業は守れるのでしょうか。
県としての明確な意思表明ならびに県民への周知活動に対する考えを含め、WTO農業交渉に対する知事の所見をお伺いします。

4、医療について
医師不足問題を中心にしてまさしく医療が混迷の中にあります。国の財政危機を理由に医療に対する社会的支出が少なすぎることが背景にあるように根幹は国の制度にあり、いち地方自治体が抜本解決できるような仕組みではないことは重々承知しています。しかし、その中で新潟県として何ができるのか、将来を予測して何を準備すべきなのか。こうした観点で議論して参ります。

<総務省有識者検討会報告>
公立病院を抱える自治体への支援策を話し合う総務省の有識者検討会が先日、報告書をまとめました。その中身は、過疎地の病院や医師不足が深刻な産科・小児科・救急医療などに対し地方交付税による財政支援の充実を求めるといったもの。これを受け総務省は、交付税の増額分について来年度予算編成に反映させる方向で財務省などと折衝に入ったと伺っています。
国のこうした動きは現下の医療を巡る諸課題の解決に少なからず寄与すると考えますが、これについて県はどのように受け止めているのか、お伺いします。
また、公立病院への財政支援にとどまらず、過疎地の病院や医師不足が深刻な産科・小児科・救急医療などについては様々な対策が必要でしょうが、今後国にどのようなことを期待し、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。

<医療機能の役割分担と連携>
国がこうした財政支援を示し始めたように、産科・小児科・救急医療・麻酔科の医師不足が深刻であり今日ここに目が向いていますが、この他にも外科医などがこれから数年後に間違いなく不足すると言われています。本県としても今から対策をとっておかなければ近い将来大きな問題として立ちはだかりかねないと考えますが、本県の外科医についての現状を伺うと共に、どのような対策をとるつもりか、お尋ねします。
外科医不足対策としては、県内で勤務する外科医を増やす必要があることや外科手術に関する情報ネットワークの構築、手術場所の確保などが考えられますが、医療資源が限られる中、とどのつまりは県内の既存の医療体制のネットワーク作りをどう整えていくのかが問われており、「医療機能の役割分担・連携」、このことが総合的な医師不足対策にとっても重要な課題と考えます。
そこでお尋ねしたいのが、しかるべき範囲の医療圏内に設立母体の異なる病院が複数存在する場合、その調整を県はどこまでしているのかということです。限られた医療資源を有効活用するためには医療機能の役割分担・連携が不可欠にもかかわらず、なかなかそれが進まない状況にあるのではないでしょうか。貴重な医療資源が分散し患者さんも分散してしまう現象が生じ、ひいては全県的な医療の質の低下も懸念されます。
医療の公共性や医療の質の向上の観点から考えれば、県が主体性をもって調整に乗り出すべきと考えてますが、知事の現状に対する認識と見解をお伺いします。
なお、医療機能の役割分担や連携については、現在改訂作業中の「新潟県地域保健医療計画」で改めて示されると思いますが、本計画の改訂状況と内容について、併せてお伺いします。

<メディカルスクール構想>
ところで、メディカルスクールという言葉をご存知でしょうか。これは「4年間の大学課程修了者の中から医師として働きたいという強い意欲と一定レベル以上の学力を有する者を選抜し、4年間の医学教育を行う大学院レベルの医師養成機関」を意味します。法曹界におけるロースクールをイメージして頂くと分かりやすいかもしれません。勤務医不足や地域医療の危機という医師の養成や配置を巡る社会的問題を背景に、模索が議論されている構想ですが、その根底には「医学の道を志す者に求められるものは何か」というテーマが横たわっています。
東大名誉教授であり日本医学会幹事、日本学術会議の会長であられる金澤一郎先生が次のように述べています。
「医師は患者の持つ病気にだけ目を向けているのではいけない。病気を抱えた人間である患者に目を向けなければならないからである。そう考えると、今の医育制度では一般教養を学ぶ期間があまりにも短すぎる。(中略)いずれは医学の道に進むとしても、それまでに法律・経済・倫理・哲学・芸術など文科系の学問を学ぶと共に、文学・美術・芸能などにも興味を持つ。風流で、こころ豊かで、味わい深い人間性を養っておいてほしい。そうすれば、物事を相対的に見ることができ、必然的に他人の痛みが分かる人間になれることが期待される。」
医師にこれだけの人間性や資質を求めるとなると、高校卒業の時点で医師になる決意をさせること自体に無理があるのではないか、という議論がにわかに現実味を帯びてくる。その一つの選択肢としてこのメディカルスクール構想が浮上してきているのです。
また、現実的な医師不足対策としても有効な手段でしょう。新潟県と人口などが同規模の北陸3県とで医学部入学定員数を比較すると、平成20年度は、北陸3県の4大学の定員395名に対し本県は1医学部で110名と極めて少ないうえ、平成21年度には1大学につきプラス10名の方針のもと、4大学ある北陸3県はプラス40名の435名、本県はプラス10名の120名が予定されており、更に水をあけられる状況にあります。また、平成18年度の人口10万人あたりの大学医学部入学定員数を見ると北陸3県の12.8名に対し本県は4.6名と全国平均の5.9名よりも低く、今では更に悪化していることは間違いありません。
このように非常に厳しい状況にある本県医療としては、全国的な医師養成機関のアンバランスさを整えるべく、医学部の定数を人口・面積規模に応じて増やしたり新規の医科大や医学部の増設を国に対し強く要請する必要があります。しかしながら、こうした切実な要望と言えども、文科省をはじめとする政府は態度を硬直化しているのが現実。それもそのはず、1県の要望をかなえてしまうと「おらも、おらも」と全国的に要望を実現しなければならないプレッシャーに晒されることが容易に推測できるからです。この点、メディカルスクールであれば、既存の枠組みとは別の観点からの議論として、国も新たな施策扱いにする可能性があります。
以上のように、医療の更なる活性化に向けてメディカルスクールは現実的な選択肢であり、そう遠くない将来、更に現実性を伴った議論がなされることが期待されます。そして、議論が深まってきたその将来に向けて本県がその先頭に立ち先駆的な立場を担えるよう、今から唱えておく必要があるのではないかと考えています。いうなれば、ここ新潟からメディカルスクール構想の花火をドカンと打ち上げるべき時ではなかろうかということ。知事の所見をお伺いします。

5、県の新たな姿に向けて
<新たな「すがた」創出>
本県の最上位の行政計画である「夢おこし政策プラン」の序章を見ると、「新潟県の新たな『すがた』をより明確にする必要性を高めている」とした上で、「将来に希望の持てる魅力ある新潟県を実現することを基本理念として、『住みたい新潟、行ってみたい新潟』を目指すための政策の方向を示す」とある。そして、最終段落では「新たな『すがた』創出の実現を目指す」と締め括っています。
そこでお尋ねしますが、この「新たなすがた」とは具体的にどのようなものなのか。そしてそれを彩る本県の個性とは一体どのようなものをお考えなのか。お伺いします。

<アグリのくに>
ひととき、「自分自身の望ましいイメージを目標として掲げ、その目標に向かって戦略的または計画的に様々なコミュニケーションを図っていく活動」、いわゆるコーポレートアイデンディディー(CI)を導入したイメージ戦略がもてはやされた時期がありました。今となってはだいぶ下火になりましたが、私は、本県は今こそ個性を彩ったコピーを高々と掲げ、それを目標にCI推進を図るべく県内外のみならず国内外に発信できうる体制を整えるべきではないかと考えています。
言うまでもなく、新潟県は「農業大県」「農業立県」と称されるほど農業の魅力がたっぷり詰まったところ。そして、いみじくも知事は「新潟県は国内有数の食料生産基地。加えて、美しい自然、豊かな食、伝統的に受け継がれているコミュニティでの人と人の絆などに恵まれています。」と仰っており、今議会の知事説明要旨では「農業や環境分野で新潟発の新たな戦略を進めることが必要」とも述べられた。まさしく「農業」を機軸とした県づくりの推進を表明したものと受け止めます。私も同じ考えでして、この「農業・アグリカルチャー」こそを本県の個性として前面に押し出すべきであり、新潟は環境にとことん配慮した「アグリのくに」を軸にCIを推し進めるべきではないかと考えています。
昨今の世界的な食糧・エネルギー事情や食の安全・安心に向けられたニーズ、地球温暖化を防止すべくの環境対策、そしてわが国における食料自給率向上の要請など、時代の流れはまさしくこの「アグリ」にあり、その拠点基地としてこれまでのメイドインジャパンとともにメイドインニイガタとして様々な関連商品・関連サービスを作り出し県内外、国内外に発信・提供する。そのためにも、この個性に沿った港湾の整備や空港の整備などを行っていくと共に、バイオ産業やバイオ工場、安心安全な農作物生産、エコエネルギーの研究開発、著名な大学の理工学部や農学部の誘致など、アグリの個性に準じた企業誘致・産業育成・産業クラスター化を図ることで未来に向けて本県は更に力強い基盤を築くことができるのではないでしょうか。
「アグリ」はなにもインフラ整備や産業に限ったものではありません。観光や教育では知事がよく仰る「農業体験」「田舎体験」「温かいおもてなし」といったサービスを「アグリ」に絡めて提供できますし、医療においても「アグリメディカル」としてこちらも様々な特徴を打ち出していけばいい。
本県にとって必要なのは、CIを推進し、「にいがた」と冠むらなくても「アグリといえばにいがた」となるように戦略的または計画的に様々なコミュニケーションを図っていくことであり、更に言えば、こうした個性や独自性を強く打ち出すことで国に対しても予算要求の説得力が増す効果も期待できると考えます。是非、知事にご一考、ご検討して頂きたく存じますが、知事の見解をお伺いします。

【おわりに】
冒頭申し上げたアメリカのオバマ氏は「グリーン・ニューディール政策」を唱えました。これは国連のパン・キムン事務総長が訴えていた標語であり、フランクリン・ルーズベルト大統領が実施した景気対策になぞらえ、クリーンエネルギーを中心として世界経済を再建しようとする試みだそうです。
金融危機や円高による景気の減退などから課題は山積しています。まさに本県の地力が試される今こそ、「グリーン・ニューディール」のような強烈な個性を伴う「新たな目標」を一日も早く創出し、知事の言うところの「新しいすがた」に向けて一丸となって行動するべき時であることを申し上げ、私の質問を終了致します。

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